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Home富山地方鉄道の未成線越中鉄道・田刈屋−富山間

越中鉄道・田刈屋−富山間

呉羽山より予定地方面を望む:2010年5月16日撮影

呉羽山より予定地である、神通大橋下流方向を見る。
(2010年5月16日撮影)

まえがき

昭和55年に廃止された富山地方鉄道射水線。富山大橋左岸の新富山駅から四方を経て新港東口までのローカル線でした。
戦前に越中鉄道が開通させたのですが、実は未成区間がありました。

概要

事業者越中鉄道
区間(主な経由地)富山北口−富山

経緯

大正11年12月16日 射水電気軌道、五福−中伏木間軌道敷設特許取得
免許は直ちに越中電気軌道に譲渡
大正12年8月1日 越中電気軌道、富山北口−省線富山間及び富山北口−聯隊橋間鉄道敷設免許取得
昭和2年2月13日 越中電気軌道、普通鉄道に転換し、社名を越中鉄道に改める
昭和8年12月25日 新富山−新湊間全線開通
昭和10年12月25日 越中鉄道、富山北口−省線富山駅間鉄道敷設免許申請
昭和18年1月1日 富山電気鉄道を中心に越中鉄道も参加しての県下交通大統合による、富山地方鉄道発足
昭和19年8月26日 免許申請却下

解説

射水線は新富山が、富山方のターミナルでした。ここで市内軌道線に接続。一時期乗り入れも行っていました。
ちなみに新富山駅は、加越能鉄道の富山金沢間新線が実現すればそれと接続し、また速星線が分岐する、富山市西部における一大ターミナルになるはずでしたが。。。

当初、越中鉄道の前身・射水電気軌道が大正11年に特許を得た区間は、省線富山駅・新湊間でした。新富山・・・当時は聯隊橋と言いましたが、実は支線として計画されていたのです。
省線、のちの国鉄ですが、富山駅を起点とする計画だったのです。

富山駅へ乗り入れるには、長大な鉄橋を架けなければ行けない。地方の一私鉄には荷が重い話です。とりあえずこの区間は後回しにしていたのですがそのまま特許は失効していました。

これを、射水電気軌道を引き継いだ越中鉄道が、昭和10年に改めて鉄道敷設免許を提出します。

目的は、無論、元来の計画線を完成させること。それにより、国鉄線と連絡し、また、富山電気鉄道との接続によって、富山市を中心とした東西交通路の交流を実現することにありました。

越中鉄道を統合した富山地方鉄道としても、富山県一市街化を目指す社是からも是非実現させたい計画でしたが、
時は戦時下。中央官庁も世間一般も新線どころではなく、昭和19年に申請却下されました。

富山金沢新線や海岸線計画は戦後復活しましたが、この計画はこのまま立ち消えになってしまいました。

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